コウモリが汚いといわれるのは何故?感染症や糞尿被害について解説

コウモリというと、汚い・ウイルスをたくさん持っているというイメージを抱いている方も多いでしょう。新型コロナウイルスの感染経路がコウモリと考えられているのも記憶に新しいところです。今回は、そんなコウモリと感染症の関わりについて、さらに汚い糞尿被害についてご紹介します。

 

1. コウモリはなぜ汚いといわれるの?

ここでは、汚いというイメージが多いコウモリについて、そのウイルスや感染症との関わりを解説します。

1-1. コウモリが汚いのは感染症のイメージのため?

コウモリが汚いといわれる大きな理由としては、コウモリを起源とするウイルスが多く存在することがあげられます。そもそも、人が感染する感染症の中でも、60%以上が野生動物を介して感染する人獣共通感染症です。これらは、野生動物を自然宿主とし、そこから直接人間へ感染、もしくは家畜などの動物を経由して人へ感染します。

たとえば、イヌから感染する狂犬病や、豚やアヒルから感染するインフルエンザ、ネズミから感染するペストなどがあげられるでしょう。この感染症のもとになる自然宿主ですが、なんと一番多いケースがコウモリなのです。このように、さまざまな感染症の自然宿主であることから、病気やウイルスのもととなる汚いイメージが生まれたと考えられるでしょう。

1-2. どうしてコウモリが自然宿主になりやすいの?

コウモリがウイルスを感染させやすい利用として、いくつかの原因が考えられます。1つめは、多くのコウモリが長距離移動を行うためです。このように、活動範囲が広大であることから、ウイルスを他の地域に広げやすくなっています。

2つめは、寿命が長いためです。コウモリの中には、30年以上生きるものあり、長い間ウイルスが生き続けることになります。また、冬眠をして冬を越すことから、ウイルスも同時に生きながらえることができるでしょう。

3つめは、ウイルスが好む場所で生活するためです。コウモリは、洞窟や木の穴のような湿った環境を好みます。この環境は、ウイルスにとっても心地の良い環境となっています。さらに、集団で生活する習性があるため、一度ウイルスが発生するとすぐに回り移してしまうという特徴もあります。

 

2. コウモリの生態を知ろう

ここでは、数多くの種類が存在するコウモリの中でも、一番身近に生息しているアブラコウモリについてご紹介します。

2-1. アブラコウモリの生態

アブラコウモリは人が住む地域で暮らしているため、住宅に住みつき被害を与えることで知られています。建物の隙間や屋根裏、橋げたなどの暗く暖かい場所を好み、集団で生活しています。コウモリは夜行性であるため、夕方以降に狩りに出かけ、明け方以降はねぐらで過ごすでしょう。基本的な活動時期は、4月から10月です。それ以外の間は、寒さと食糧不足をのりこえるために冬眠しています。

小さな昆虫をエサとしていることから、それらが集まりやすい水辺や、街灯の周りで狩りをしている姿がよく見られます。

2-2. アブラコウモリが持つ菌

アブラコウモリは、SARS、ニパウイルス感染症、ヘンドラウイルス感染症、ヒストプラズマ症などを引き起こす可能性のあるウイルスを持っているといわれています。近年、日本国内では、コウモリから人へ直接ウイルスが感染したという例はありません。しかし、未知のウイルスを持っている可能性も否定できないため、絶対に素手で触らないように気をつけましょう。

 

3. コウモリによる被害

コウモリは、小さな隙間から入り込み巣を作ろうとします。ここでは、実際起こり得るコウモリによる被害の例をご紹介します。

3-1. 悪臭が発生する

コウモリによる被害のうち、もっとも大きなものがフンによるものです。臭いがきつく、汚いため、大きな衛生的被害となります。コウモリは集団で生活することから、その糞尿の量も多く、深刻な被害に繋がることも多くあります。また、フンは崩れやすいため、粒子となって空中に舞いやすく、知らないうちに菌を吸い込んでしまう可能性もあるでしょう。

3-2. ダニやノミなどの寄生虫が発生する

コウモリには、トコジラミ、ダニ、マダニが寄生しています。これらが、室内に侵入すると、吸血被害を引き起こす可能性があるでしょう。また、ゴキブリが大量発生してしまう場合もあります。

3-3. 建物の資産価値を低下させる

コウモリは、屋根の隙間・天井の換気口・軒下の隙間などから中に入り込みます。そこで集団で長期間暮らすことで、建物が腐ったり、シミができたりする被害へとつながります。鉄部のさびの原因にもなり、大掛かりな修繕が必要になる可能性もあるでしょう。

 

4. まとめ

今回は、汚いというイメージを持たれやすいコウモリについて、その生態や私たちに与える被害の内容をご紹介しました。コウモリが汚いといわれる原因としては、さまざまな感染症の発生源になりやすいこと、さらに集団で暮らすため糞尿の被害が起こりやすいことがあげられます。コウモリが住み着いてしまう前に、早めの対策を行いましょう。

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